ザトウクジラは尾ビレの腹側の黒白模様や傷により、一頭一頭見分けることができます。また尾ビレの端の凹凸もクジラによって異なり、すべてのクジラに自然の標識が着いていると考えることができます。すなわち、この黒白模様や形を調べることにより、傷つけたり殺すことなしにそれぞれのクジラを識別することが可能なのです。この模様は、基本的に生涯不変のものですが、若いクジラでは色素形成にある程度の経時的変化が見られます。個体差はあるものの、生まれたばかりの子クジラでは灰褐色であるものが、約2、3年ではっきりとした黒白のパターンに定着することが知られています。また他のクジラとの接触やシャチやサメなどの攻撃により、傷などが増えることもあります。